国際的なERMの流れと神林モデルの接続

リスク管理は、意思決定の構造へ

COSO ERM 2026ガイダンスが示す新しい方向性

近年、全社的リスクマネジメント(ERM)の考え方は、大きく変わりつつあります。従来のERMは、リスクを洗い出し、評価し、一覧化し、報告する仕組みとして理解されることが少なくありませんでした。

しかし、2026年に公表されたCOSOの実務ガイダンスでは、ERMは単なるリスクの記録や報告ではなく、経営上の意思決定に影響を与える仕組みとして位置づけられています。

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COSO ERM 2026 ガイダンスの要点

重要なのは、リスクを管理することそのものではありません。経営者や取締役会が、何を選び、どのリスクを引き受け、どの条件になれば見直すのかを、あらかじめ明確にしておくことです。

COSOの新しいガイダンスでは、戦略とリスクは切り離せないものとして整理され、あらためて強調されています。戦略上の選択は、常にリスクの選択でもあります。

また、ERMは文書化やヒートマップを整えるための活動ではなく、より良い選択、早期の軌道修正、想定外事象の低減、取締役会の信頼向上につながるものでなければならないとされています。さらに、ガバナンスやERMを“制度”ではなく、“行動・運用・文化”として捉えている点も注目されます。

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神林モデルとの接続

この方向性は、神林モデルの問題意識とも深く重なります。神林モデルでは、企業を制度の集合体としてではなく、経営理念、戦略、リスク、統制、監督、文化が相互に作用する意思決定構造として捉えます。

ガバナンス、リスク管理、内部統制、監査は、それぞれ個別に整えるだけでは十分ではありません。それらが、価値創造を持続的に実現するための一つの流れとして機能しているか。そこに、これからのERMの本質があると考えています。

COSO ERM 2026ガイダンスが示す方向性は、神林モデルの問題意識とも重なります。

制度はある。 しかし、つながっていない。 そして、言うべきことが言えない。

神林モデルは、その流れを踏まえながら、日本企業が長年培ってきた経営理念や組織文化を基盤に、戦略・リスク・統制・監督を一体の構造として読み解き、持続的な価値創造につなげるための実践モデルです。

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COSO ERM 2026 ガイダンスと神林モデルの関係

COSO ERM 2026 ガイダンスの方向性 神林モデルでの位置づけ
戦略とリスクを結びつける戦略実行能力構造(SECA:Strategy Execution Capability Architecture)
価値創造をERMの成果とする経営理念から価値創造ストーリーへの接続
リスクアペタイトを意思決定に使う取るべきリスク/取ってはならないリスクの見極め
ガバナンスを行動システムとして捉える戦略実行保証システム(SEAS:Strategy Execution Assurance System)
ERMを業務リズムに埋め込む戦略・現場・監督の流れの設計
Candor、率直に語れる文化を重視Layer5:文化・心理的安全性(文化成熟度)
学習し続けるERM組織知・自律進化(Organizational Intelligence)

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※本稿は、COSOの公表資料を踏まえたERM経営研究所による解説であり、COSOの公式見解を翻訳・転載するものではありません。

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